皆様こんにちは。
社会保険労務士法人ことのは
中小企業診断士の山下典明です。
先日の「派遣元調査(文書が届く)」の続編です。
④ 派遣労働者との労働契約書(雇用契約書)
会社と労働者で締結する「雇用契約書」です。口約束だけで「雇用契約書なし」というケース、よく見かけます。しかし、口約束だけだと、後日、言った・言わない、、、想像に難くありません。
労使では決着がつかず、トラブルが大きくなり、労基署・ユニオン・労働審判・裁判などへ発展すると、会社側のボロ負けが濃厚です。こうならないためにも「雇用契約書」は必ず締結しましょう。
なお「雇用契約書」には以下項目について、必ず記載が必要です。
これを「絶対的記載事項」と呼びます。記載モレがないようご注意ください。
1. | 雇用契約の期間 |
2. | 就業の場所 従事する業務の内容 |
3. | 始業・終業時刻 時間外・休日労働の有無 休憩時間 休日 休暇 交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項 |
4. | 賃金の決定・計算・支払方法 賃金の締切り・支払の時期に関する事項 |
5. | 退職に関する事項 |
この中でも、実務経験上よくあるトラブルは、「1.雇用契約の期間」についてです。
雇用契約書「1.雇用契約の期間」には、
①有期契約(期間の定めがある雇用)
②無期契約(期間の定めがない雇用)
の2つに大別されます。
この区別をせず、なんとなく従来通りの契約、ひな形に従っていることが多いようです。
しかし、
「能力に欠くので辞めてもらいたい!」
「適性に欠くので辞めてもらいたい!」
「気にさわるので辞めてもらいたい!」
「文句を言うので辞めてもらいたい!」
「評判が悪いので辞めてもらいたい!」
「体力がないので辞めてもらいたい!」
「・・・」
様々な「辞めてもらいたい衝動」に駆られたとき、
この「1.雇用契約の期間」を区別していないと痛い目にあいます。
特に、②無期契約だと「契約期間満了」という概念がなく、雇い止めができません。たとえ試用期間3ヶ月であっても、スパッとはいかず、交渉力が試されます。一方、①有期契約だと「契約期間満了」で更新せず、スパッと雇い止めができます(※更新に値する評価であることが望ましいのですが、、、)。
本採用可否を見定めたいならば、①有期契約をおススメします。しかし、応募者は就労の安定(②無期契約)を希望するのが普通なので、①有期契約は求人募集で敬遠されがちという欠点があります。
困りました。一長一短を気にしていては、動き出せません。
しかし、この状況、本来あるべき悩みなのです。
なんとなく従来通りの契約、ひな形に従っているならば、このような悩みはないはずです。
その代り「辞めてもらいたい衝動」に駆られたときに悩み、ボロ負け必至の戦いへ参戦するのです。
【設問】
労働者を雇い入れた。派遣先へ送り込んだ。しかし、労働者に問題があり契約更新できなかった、又は契約を解除された。他の派遣先へ送り込むこともできない。休業手当(平均賃金の6割)は支払わなければならない。
さて、どうしますか?
雇用契約の期間、どうあるべきですか?
会社の戦略、人材採用力、見極め力、全てを総動員して、対策を考えてみてください。
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中小企業診断士 山下典明
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