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労働者派遣「個別調査 ②労働者派遣契約書(基本・個別)とは」(No.18)2017.12.11

皆様こんにちは。
社会保険労務士法人ことのは
中小企業診断士の山下典明です。

先日の「派遣元調査(文書が届く)」の続編です。


② 労働者派遣契約書(基本・個別)


基本契約は、会社間で取り交わす「任意」のもの。
個別契約は、労働者派遣を行う際「必須」のもの。

基本契約
こちらの契約では、会社間での取り決め、下記「個別契約」だけでは解決できないトラブルを予測した内容を、記載しておくと良いでしょう。例えば、「料金」「労働者交代」「苦情処理」「機密保持」「損害賠償」「契約解除」等が挙げられます。

個別契約
こちらの契約では、下記15項目について、書面に記載しておく必要があります。


1. 従事する業務の内容
2. 従事する事業所の名称・所在地・就業場所・組織単位
3. 派遣労働者を直接指揮命令する者の部署・役職・氏名
4. 労働者派遣の期間
5. 始業・終業・休憩時間
6. 安全衛生に関する事項
7. 苦情申出窓口と苦情処理方法
8. 契約解除にあたって講ずる措置
9. 紹介予定派遣に係るものである場合、それに関する事項
10. 派遣元責任者および派遣先責任者に関する事項
11. 時間外労働および休日労働に関する事項
12. 派遣労働者の福祉の増進のための便宜の供与(福利厚生)
13. 派遣終了後に派遣契約間の紛争を防止するために講ずる措置
14. 無期雇用派遣か60歳以上の者に限定するか否かの別
15. 派遣可能期間の制限を受けない業務に係る事項


厚生労働省HP、下記リンクに例があります(6ページ目~)。
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou/dl/7.pdf

 トラブルが多い箇所について、以下記します。まずは、これらを意識するだけでも、事前準備ができますので、是非とも参考にしていただければと思います。

7.苦情申出窓口と苦情処理方法
苦労して契約にこぎつけた派遣先、できれば穏便にことを済ませ、契約を維持・継続したいところです。しかし、派遣労働者の苦情への対応が曖昧だと、大きなトラブルへ発展することがあります。例えば、派遣先でのセクハラ・パワハラ等に伴う苦情であった場合、派遣元責任者が責任をもって対処しなければなりません。しかし、これを怠った場合、労働者が外部機関へ駆け込むことが考えられ、、、その後の処理が大掛かりなものとなりかねません(労働審判や裁判でボロ負け必至)。

また、派遣労働者からの苦情は、派遣元管理台帳へ記録しておく必要があります。これを怠った場合は罰せられますのでご注意ください。
苦情プライベートなものであることが多く、厳重に管理しなければなりません。「労働者派遣事業許可申請」手続きにおける「レイアウト図」「個人情報保護」そして「実地調査」、どうしてあそこまで厳重なのか、その意味が分かります。法令がガッチリ関与しているためです。

8.契約解除にあたって講ずる措置
これもトラブルが多発するところです。契約期間中にも関わらず、諸々問題があったことで「契約解除」。会社間では「派遣料金」等、派遣労働者との間では「賃金」「雇用」等、今後どうしていくかが問題となります。少なくとも、休業手当(平均賃金の6割)は派遣先から賠償してもらう等、記載しておくと良いでしょう。

9.紹介予定派遣に係るものである場合、それに関する事項
 派遣先での評価が高い「派遣労働者」である場合、契約期間満了後、正社員採用の声がかかることがあります。この場合、オファーを受け入れるのか?紹介料はもらえるのか?いくらもらうのか?この辺りを決めておかないと、後日、会社間でもめることになりかねません。今後の人材派遣先としての関係継続のためにも、予め決めておくことをおすすめします。

以上、特にトラブルが多い箇所について記述しました。

派遣元としてやっておかなければならない対応は、たくさんあります。大変かとは思いますが、労働者派遣事業を行う以上、避けては通れません。派遣先・派遣元・派遣労働者、良好な関係を維持するためにも、派遣元責任者の方は、「派遣元責任者講習」に出席した際の内容を振り返り、不備がないかご確認をお願いいたします。


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派遣元調査(文書が届く)
個別調査「①派遣期間の制限に抵触する日の通知」
個別調査「②労働者派遣契約書(基本・個別)」
個別調査「③就業条件明示書)」
個別調査「④派遣労働者との労働契約書」
個別調査「⑤派遣先への通知書」
個別調査「⑥派遣元管理台帳」

中小企業診断士 山下典明


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