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助成金「賃金5%UP、正社員化6ヶ月以降」(No.269)2019.11.19

助成金「賃金5%UP、正社員化6ヶ月以降」(No.269)2019.11.19

皆様こんにちは!
社会保険労務士法人「ことのは」
中小企業診断士の山下典明です。


  • 帳尻合わせの5%UPは否定される
  • 昇給後も継続的に固定値であること。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)、要件の1つ「賃金5%UP」、中小企業にとって高いハードルになっている気がします。また、「同一労働同一賃金」が施行されることも相まって、「なぜ5%UPなのか?」の根拠も要求されるはずです。よって、さらに高いハードルとなることが予測できます。

 

  • 帳尻合わせの5%UPは否定される

 

5%UP要件は、正社員転換の前後6ヶ月の賃金総支給額(一部の支給を除く)によって、判断されます。

正社員転換後の6ヶ月目に、5%UPに若干不足していることに気付き、支給額を増額したとします。

例えば、、、


  • 転換後1ヶ月「250,000円」
  • 転換後2ヶ月「250,000円」
  • 転換後3ヶ月「250,000円」
  • 転換後4ヶ月「250,000円」
  • 転換後5ヶ月「250,000円」
  • 転換後6ヶ月「265,000円」増額

転換後6ヶ月だけ、他5ヶ月分よりも「15,000円」高い状況。これは場合によって、「15,000円」を除外して、5%UP要件をチェックされます。どいう場合か?

増額分「15,000円」が一時的な上昇(帳尻合わせ)である場合です。

具体的には、、、


  • 転換後1ヶ月「250,000円」
  • 転換後2ヶ月「250,000円」
  • 転換後3ヶ月「250,000円」
  • 転換後4ヶ月「250,000円」
  • 転換後5ヶ月「250,000円」
  • 転換後6ヶ月「265,000円」増額
  • 転換後7カ月「250,000円」戻る
  • 以降・・・・「250,000円」

と、このような場合です。

労働局は審査過程で何と言ってくるか?

転換後7カ月以降の賃金台帳(写し)を提出してください!

上記のような支払い方になっていた場合、転換後6カ月「265,000円」は「250,000円」と読み換えられてしまい、5%UP要件を満たさないことになります。

では、どうなっていればよいのか?


  • 昇給後も継続的に固定値であること。
  • 転換後1ヶ月「250,000円」
  • 転換後2ヶ月「250,000円」
  • 転換後3ヶ月「250,000円」
  • 転換後4ヶ月「250,000円」
  • 転換後5ヶ月「250,000円」
  • 転換後6ヶ月「265,000円」増額
  • 転換後7カ月「265,000円」固定
  • 以降・・・・「265,000円」固定

冒頭に記したように、賃金UPすることは中小企業にとって重い負担となる可能性があります。そして、助成金対象者であるという理由だけで、賃金UPするとなると、業務内容や業績に見合わない方が対象となる場合もあり、周りとのバランスが崩れます。これは、職場内の不満を発生させます。そして、同一労働同一賃金への対応を、より困難なものとします。

助成金受給を最優先させると、職場のバランスを崩します。これは、会社業績に影響を与えかねません。例えば、離職率が上昇、残った従業員へ負荷が集中、業務効率が著しく悪化、仕方なく外注に頼る(※交渉力が弱い)ことで外注費が上昇、収益を圧迫、、、悪循環ですね。

よって、職場のバランスを最優先させた上で、助成金利用を判断することが、重要であることが判ります。この前後関係を見失わないようにしてください!

 

中小企業診断士 山下典明


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