皆様こんにちは!
社会保険労務士法人「ことのは」
中小企業診断士の山下典明です。
- 会社の基準
- リスク管理
- 企業価値の向上
- 戦略的に作成・運用
就業規則・賃金規程・育児介護休業規程などの社内規程、毎日見るものではありません。入社~退職まで、一切読まないといった方もいるでしょう。そのような社内規程ですが、作成、運用することの意義を考えてみます。
1.会社の基準
平たく言えば「ルール」。「ルール」がない状態で会社運営をした場合、様々なケースに対して、その場凌ぎの対応をすることになり、結果として不平等が生じます。正直、好き嫌いが判断基準となっている可能性が高いです。トラブルの火種です。
また、事業主が判断するならばまだしも、現場上長など中間管理職が判断する場合、ルールなしでは後伸ばしになる可能性を否めません。問題が深刻化して動き出すという悪循環が生じます。
このような事態を招かないためにも、社内規程の設置・運用は有効です。「ルール」にそって判断すれば良いので迷いません。判断を求められた人も、社内規程が責任の一部を担ってくれるため、背負うものが軽くなります。余計な心配事を抱え込まなくて済みます。
2.リスク管理
運悪く問題化してしまった場合、如何にして影響を最小限に食い止めるかが大切です。社内規程を設置・運用することで、一定のルールに基づき判断が行われます。問題化した際には、判断基準を対象者へ説明することができます。
社内規程は、問題化した際の「伝家の宝刀」的な立ち位置です。なお、「伝家の宝刀」は抜かずに問題解決できる方がより良いです。いきなり「法律」を突き付けられたら、誰でもカチンとくるはずです。丁寧な話し合いをしても埒が明かない時に「伝家の宝刀」をチラつかせ、最終的には抜刀するようにしましょう。
3.企業価値の向上
これまでは、上記1・2について多く語られてきた印象があります。
昨今、事業主の高齢化に伴い、事業承継やM&Aといった案件が増加しています。会社を売却するにしても、次の世代へ引き継ぐにしても、良い形で経営権をバトンタッチしたいはずです。もちろん、バトンタッチする側にもメリットがあります。スムーズに気持ちよくという面、そして売却額という金銭面です。
企業価値を高めておくことは、事業継続を図る上で不可欠な要素であり、経営者の責任です。本業に磨きをかけることは最優先事項であり、企業価値を大きく左右する要素です。しかし、それが全てではありません。会社機能はどうなのか、財務状況はどうなのか、リスク状況はどうなのか、等、様々な要素が積み上がることで企業価値が決まります。
社内規程を作成・運用することは、上記1・2で述べたように、人事労務やリスク管理が機能している状態を意味します。利益を生み出す本業には劣るものの、企業価値を向上させる上では不可欠な要素です。
4.戦略的に作成・運用
以上1~3の視点で社内規程を考えることで、存在意義や作り方が見えてきます。会社の中長期計画を手元に置いてください。5年後、10年後、どのようになっていたいですか。そのための基準・リスク・企業価値、どうあるべきですか。
このように考えると、社内規程、少し違った見え方になりませんか。
中小企業診断士 山下典明
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