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労使協定「36協定、派遣労働者、適用はどっち?」(No.341)2021.10.14

労使協定「36協定、派遣労働者、適用はどっち?」(No.341)2021.10.14

皆様こんにちは!
社会保険労務士法人「ことのは」
中小企業診断士の山下典明です。


  • 派遣元「36協定」が適用される。
  • 派遣先は派遣元「36協定」の写しを入手しておく。
  • 業務が異なる場合は要注意!

派遣労働者を受け入れる「派遣先」、どうしても時間外・休日労働が発生することがあります。この場合、いわゆる「36協定」は、どの分を適用すればよいのでしょうか?

  • 派遣元「36協定」が適用される。

労働するのは派遣先であり、指揮命令も派遣先からされるのであれば、派遣先「36協定」なのでは?と、考えそうですが、それは誤りです。派遣労働者については、派遣元「36協定」が適用されます。

  • 派遣先は派遣元「36協定」の写しを入手しておく。

派遣先と派遣元で「36協定」の設定が同じであれば、自社従業員と同じように時間管理ができます。しかし、設定が異なる場合、そこに注意が必要です。

設定が同じなのか、異なるのか、これを知るためには派遣元「36協定」を確認するしかありません。口頭確認よりも、やはり「写し」を入手して確認する方が良いです。

派遣元「36協定」の写しを入手して、これを確認することで、余計な疑いを抱く必要もありません。例えば、「本当は締結していなかった(又は期限が切れていた)」、「口頭では特別条項と言っていたが、実際には特別条項ではなかった。残業分で売上を増やしたかったのか?」、「時間外の上限設定が異なっていた」、これらが発覚してからでは後の祭りです。派遣元「36協定」、目視確認そして社内保管するようにしましょう。

  • 業務が異なる場合は要注意!

レアケースかもしれませんが、、、派遣元「36協定」の業務が「新技術、新商品等の研究開発」である場合、時間外労働の上限規制が適用されません(※2021.10.14時点では猶予期間)。しかし、これは派遣先における業務が「新技術、新商品等の研究開発」である場合に限られます。それ以外の場合、法律に則した時間外・休日労働に収める必要があります。

そして、派遣先が「特別条項」であれば、派遣労働者にもこれの適用が可能かもしれませんが、お勧めできません。長時間労働による健康被害など、派遣先はリスクを負いますので、「一般条項」の範囲内に収めるべきと考えます。

白黒はっきりさせたいところではありますが、、、派遣労働者に適用される「36協定」は、あくまで派遣元のものです。しかし、これが派遣先にアンマッチな場合、極力トラブル回避・リスク低減できるような時間外・休日労働にセーブするしかありません。派遣元に、無理やり新たな「36協定」を締結させる方法もあるかもしれませんが、現実的ではありません。


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中小企業診断士 山下典明


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