皆様こんにちは。
ことのは、中小企業診断士の山下典明です。
〇 決定的な違いから職位をあぶり出す
某事業所で、職位の設定にあたり、「決定的な違い」を列挙していただきました。そこには、現時点で雇用している従業員の詳細が記されており、違いが見えてきます。
しかし、現状の書き出しに留まっており、他の職位、例えば入社間もない未経験者などについて、確認ができません。熟練者は、入社から現在に至る過程で、スキルを徐々に培ってきたはずです。
1年目、2年目・・・5年目、そして将来、
どのようなキャリアパスとなるのか?
そこにはどのような「職位」が存在するのか?
現状だけではなく、過去・未来(理想)も含めて「職位」を書き出したいところです。
〇 職位を別角度からあぶり出す
今回ヒアリングをする中で、
「①聞けばできるレベル~自分で完結できるレベル」、
「②移動可否・要介護度」
といった言葉が、随所に出てきました。
【その1】切り口でレベル分け!
前者①について何段階に分けられるのか、その決定的違いは何か、後者②も同様に決定的違いは何か。これらを検討することで、「職位」が自ずと浮かび上がってきます。
【その2】切り口から表を作る!
上記②については、縦軸「移動(自立~可~不可)」横軸「要介護度(軽・中・重)」を設定した表が作成でき、9つのマス目が生じます。そして、9つの各マス目にレベルを付与することで、階層設定の目安が絞り込まれていきます。
レベル1~5に分けることができる。
【その3】スキルアップ経路を考える!
業務の難易度は表左下(自立・軽)が低く、表右上(不可・重)が高くなり、キャリアパスでは後者を目指すことになります。
また、どのような経路(パス)で後者を目指すのか、例えば「縦軸スキルを優先」「横軸スキルを優先」「両軸同時にスキルアップ」等、表にすることで、個々のスキルアップ経路(パス)が検討できるようになります。これは、現在の人員状況や中長期事業計画を踏まえながら、計画的に人員育成をしていくことをおススメします。
「とにかくスキルアップ、〇〇さんみたいになってほしい!」ではなく、段階的なスキルアップを会社が望んでいることを、具体的に示すことができ、従業員の納得度・安心度ともに高まることが期待できます。
※作業の流れ(簡易図) 作成:山下典明
バックナンバー
キャリアパス設計(01.はじめに)
キャリアパス設計(02.設計と現場の乖離)
キャリアパス設計(03.職場文化との融合)
キャリアパス設計(04.理想形を探す)
キャリアパス設計(05.職位の設定)
キャリアパス設計(06.業務の分類①)
キャリアパス設計(07.業務の分類②-1)「ぱっと見で分かりやすいですか」
キャリアパス設計(08.業務の分類②-2)「何がどの程度できなければならないのか伝わりますか」
キャリアパス設計(09.業務の分類②-3)「書面を基に適度な目標設定ができますか」
キャリアパス設計(10.業務の分類②-4)「業務が網羅されていますか」
キャリアパス設計(11.業務の分類②-5)「運用できていますか」
キャリアパス設計(12.教育訓練体系図①)「まずは列挙、作成してみる!」
キャリアパス設計(13.教育訓練体系図②)「やるべきはどれか?」
キャリアパス設計(番外編.事業主の想い)
中小企業診断士 山下典明
横浜・馬車道の社労士事務所「ことのは」
〒231-0002
神奈川県横浜市中区海岸通4丁目23 マリンビル3階309
TEL:045-264-8970
FAX:045-264-8971
E-mail:info@sr-kotonoha.or.jp
FaceBook:https://www.facebook.com/kotonoha.yokohama/
Twitter:https://twitter.com/sr_kotonoha