皆様こんにちは。
ことのは、中小企業診断士の山下典明です。
前回のキャリアパス設計(5.職位の設定)が完了した後は、各職位に求められる業務レベルを設定するのですが、ここではそのための下準備、「業務分類」について記します。
さて、前回のキャリアパス設計(5.職位の設定)で、「決定的な違い」を検討しましたが、具体的に何をすれば良いのか、個々人がアクションを起こすための動機としては、今一つ決定力がありません。
そこで、各職位に求められる業務レベルを設定するために、「現場で起こっていること」「日々行っていること」をアウトプット、「業務分類」という形にまとめていく作業を行います。
いきなり「業務分類」をまとめ上げるのは無理ですので、まずは上記の通り、「現場で起こっていること」「日々行っていること」を列挙してください。この際、列挙項目の「粒度」がバラバラになるかと思いますが、とりあえずは目をつぶって、出し切ることに専念してください。
もうこれ以上でない!出し切った!
おそらく、、、出し切った結果は、「抽象度が高いモノ・コト」と「非常に具体的で抽象度が低いモノ・コト」が混在している状態、「粒度」がバラバラだと思います。余談ですが、ここから、現場がどこにフォーカスしており、どこがボンヤリしているかを把握することができます。
「粒度」がバラバラの状態で「業務分類」を作り込むことも可能ですが、「粒度」をある程度は揃えた方が良いです。抽象度が高いモノ・コトは多少掘り下げる作業、その逆は集約する作業をしてみましょう。
まず、ここまで行ったうえで、「業務分類」を眺めてみると、本業を支えるための間接業務が抜けていることがあります。例えば、報告書作成、シフト表調整、役所対応、、、いわゆる「事務作業」が抜け落ちることが多いようです。一歩引いて、1日1週1ヶ月が「業務分類」で完結するかを確認してみましょう。
余談になりますが、本業が落ち着き、気力・体力共に消耗している頃合、どうしても「事務作業」への意識は希薄化します。その結果、人によって「事務作業」にかける時間が、大きく異なるようです。早い人もいれば遅い人もいる。自由気ままにやっている。これ、問題です。短時間でAさんができるならば、ゆっくりなBさんもマネをできるはず。比較的簡単に問題解決できる事象です。短期間でパスできる事象をキャリアパスに組み込むことで、運用している実感を得やすくなります。現場を巻き込んでいく上で、有効な策だと思います。
さて、ここまで作業が完了すれば、「職位(縦軸)」と「業務分類(横軸)」で構成されたマトリクスが仕上がります。下記図の「職位別業務一覧」と名付けたものが、それに該当します。
※作業の流れ(簡易図) 作成:山下典明
バックナンバー
キャリアパス設計(01.はじめに)
キャリアパス設計(02.設計と現場の乖離)
キャリアパス設計(03.職場文化との融合)
キャリアパス設計(04.理想形を探す)
キャリアパス設計(05.職位の設定)
キャリアパス設計(06.業務の分類①)
キャリアパス設計(07.業務の分類②-1)「ぱっと見で分かりやすいですか」
キャリアパス設計(08.業務の分類②-2)「何がどの程度できなければならないのか伝わりますか」
キャリアパス設計(09.業務の分類②-3)「書面を基に適度な目標設定ができますか」
キャリアパス設計(10.業務の分類②-4)「業務が網羅されていますか」
キャリアパス設計(11.業務の分類②-5)「運用できていますか」
キャリアパス設計(12.教育訓練体系図①)「まずは列挙、作成してみる!」
キャリアパス設計(13.教育訓練体系図②)「やるべきはどれか?」
キャリアパス設計(番外編.事業主の想い)
中小企業診断士 山下典明
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