皆様こんにちは。
ことのは、中小企業診断士の山下典明です。
先日、お客様からのご要望で、キャリアパス設計に関するコンサルティングを実施しました。
今回のお客様事業所では、、、
- キャリアパスは設計済み
- 処遇改善加算(Ⅰ)適用済み
事業主の方は、非常に勉強熱心な方。様々な研修に参加なさり、経営計画は勿論のこと、キャリパス設計も着手。上記2にあるように「処遇改善加算(Ⅰ)」も適用済み。
これだけを読めば、特に問題はなさそうですが、、、
設計したキャリアパスをいざ現場へ持ち込む段階で、「本当に運用できるのか?」「今後、離職率が高まるのでは?」「今後、人材採用が難しくなるのでは?」と感じたそうです。
そこで、外部の意見も聴きたいとのことで、お声掛けいただきました。
事前に「キャリアパス設計」をお送りいただき、私なりに分析したところ、
- 処遇改善加算の要件を満たしている
- 精緻に記述されており役所ウケは良さそう
- あるべき姿は示されている
一方で、
- あるべき姿は羅列されているが、業務ごとに分類されていない
- 現場が具体的に何をすればよいのか分からない
- どうすれば昇格できるのか分からない
- 研修受講の意味が把握しにくい
- 現場の足並みを揃える上で説得材料に欠ける
とういうことが見えてきました。
しかし、資料から見えることには限りがあります。したがって、上記を脳裏に踏まえた上で、困っていること、不安に感じていることをヒアリング、具体的な解決策を検討していきました。そうするとやはり、上記「a~e」が問題であることが、浮き彫りになってきました。
話を進めていく中で、現場には「何ができなければならないか」について、現場職員が独自に作成したもの(以下「現場ToDo」と呼ぶ)があることが判明。しかし、現状のキャリアパスは、これを組み込むことなく設計されている様子。よって、双方における整合性(乖離の度合)を診ながら、擦りあわせを行っていくことにしました。
それにしても、このように設計と現場に乖離があったとしても「処遇改善加算(Ⅰ)」が認められてしまうという現実、いかがなものでしょうか。役所による審査の限界を感じます。
「こうすれば役所審査はパスする!」「どうすれば現場職員はキャリアアップする?」、前者は経営者だけで作成できそうですが、後者は現場を巻き込まなければ難しそうです。
今回は、「現場ToDo」が存在しているので、キャリアパス運用に現場を巻き込んでいくことは、比較的スムーズにいくのではないかと予想しています。そのための擦りあわせ、上手くことを運んでいきたいと思います。
to be continued
※作業の流れ(簡易図) 作成:山下典明
バックナンバー
キャリアパス設計(01.はじめに)
キャリアパス設計(02.設計と現場の乖離)
キャリアパス設計(03.職場文化との融合)
キャリアパス設計(04.理想形を探す)
キャリアパス設計(05.職位の設定)
キャリアパス設計(06.業務の分類①)
キャリアパス設計(07.業務の分類②-1)「ぱっと見で分かりやすいですか」
キャリアパス設計(08.業務の分類②-2)「何がどの程度できなければならないのか伝わりますか」
キャリアパス設計(09.業務の分類②-3)「書面を基に適度な目標設定ができますか」
キャリアパス設計(10.業務の分類②-4)「業務が網羅されていますか」
キャリアパス設計(11.業務の分類②-5)「運用できていますか」
キャリアパス設計(12.教育訓練体系図①)「まずは列挙、作成してみる!」
キャリアパス設計(13.教育訓練体系図②)「やるべきはどれか?」
キャリアパス設計(番外編.事業主の想い)
中小企業診断士 山下典明
横浜・馬車道の社労士事務所「ことのは」
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