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労働保険「大雨予測で避難指示⇒自宅待機」(No.331)2021.8.20

労働保険「大雨予測で避難指示⇒自宅待機」(No.331)2021.8.20

皆様こんにちは!
社会保険労務士法人「ことのは」
中小企業診断士の山下典明です。


  • 大雨予測で自治体から避難指示
  • これに基づき会社は帰宅及び自宅待機指示
  • この場合に「休業手当」はどうなるのか?
  • 安全配慮義務違反損害賠償請求のリスク

結論から言うと、会社が「休業手当」支給の義務を負うケースが圧倒的に多いです。

では、どのような時、会社は義務(休業手当の支給)を負わないのか?

ポイント

1.事業所が直接的被害を受け、操業を停止せざるを得ない。

・洪水により床下浸水が発生
・土砂崩れが会社を直撃した
・機械装置が損壊して動かない
・地震により社屋が倒壊した
・etc

2.会社が工夫をしても、自宅待機中の就業が難しい

・現場環境でしか作業ができない
・テレワーク環境では業務遂行ではない
・etc

このような場合は、「会社都合による休業」にはならず、会社は「休業手当」支給の義務を負いません。

上記は特殊な状況であり、遭遇する確率は低いです。可能性があるための避難指示に従ったとしても、上記ポイントに該当することは非常に希と考えられます。

  • ならば、、、自治体から避難指示が出ている状況下で、働かせても良いのか?

最終的には会社判断になるため、労働させる・自宅待機させる、どちらも可能です。しかし、自治体の避難指示を無視、被災して死傷者が出た場合、「安全配慮義務違反」や「損害賠償請求」等、会社としては弱い立場に立たされる可能性が高いです。

ノーワークなのに休業手当を支給、自治体の避難指示に従ったまでなのに、、、それなのにどうして?と、確かに納得いかない部分もあります。わかります。しかし、現行法では、上記のような解釈・運用がなされています。これに反した措置を会社がとってしまうと、コンプラ違反等、別方面のリスクを負うことになります。

地球温暖化による不安定な気候が当たり前になりつつあり、100年に1度と言っていた事象が毎年起こる可能性もあります(※それでも事業所を直撃する可能性は低いはず)。死傷者が発生してからでは遅いです。一時的に操業を停止しても、従業員がいれば再稼働できます。自然災害を予測する自治体の避難指示に対しては、安全配慮義務を果たす行動を起こしていただければと思います。

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中小企業診断士 山下典明


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