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労働条件「休日、決まりはどうなっていますか?日数・起算日は?」(No.202)2019.2.22

皆様こんにちは!
社会保険労務士法人「ことのは」
中小企業診断士の山下典明です。


  • 休日日数を決めておく
  • 会社カレンダーを用意する

皆様の会社では、「休日」、どのように決めているでしょうか。

例えば、上記サンプルのような定めでしょうか。

 

では、質問です。

  1. 御社「就業規則」に基づく休日日数は、年間トータル何日ですか
  2. 年間トータルの起算日いつですか

 

昨今、祝日は増える(減ることはない?)傾向にあります。そうすると、上記サンプルの場合、祝日の増減により毎年「休日日数」が変化することになります。その影響について、仮定を基に考えてみます。


● 仮定:休日120日、労働時間、1日8時間、週40時間


⇒月平均所定労働時間
=(365日-120日)× 8時間 ÷ 12ヶ月
= 163.33 時間・・・①

⇒月平均所定労働日数
=(365日-120日)÷ 12ヶ月
= 20.42日・・・(a)

祝日が1日増えた場合 ⇒ 休日121日

⇒月平均所定労働時間
=(365日-121日)× 8時間 ÷ 12ヶ月
= 162.67 時間・・・②

⇒月平均所定労働日数
=(365日-121日)÷ 12ヶ月
= 20.33日・・・(b)

祝日が3日増えた場合 ⇒ 休日123日(2019.4.30~5/2)

⇒月平均所定労働時間
=(365日-123日)× 8時間 ÷ 12ヶ月
= 161.33 時間・・・③

⇒月平均所定労働日数
=(365日-123日)÷ 12ヶ月
= 20.17日・・・(c)


まとめると

  休日120日 休日121日 休日123日
労働時間 ①163.33  ②162.67  ③161.33 
労働日数 (a)20.42  (b)20.33  (c)20.17 

 

では、これを基に、時間単価を算出してみます。


ケース1:月給200,000円

  • 200,000÷①163.33 = 1,225円/h
  • 200,000÷②162.67 = 1,230円/h
  • 200,000÷③161.33 = 1,240円/h

ケース2:月給300,000円

  • 300,000÷①163.33 = 1,837円/h・・・A
  • 300,000÷②162.67 = 1,845円/h
  • 300,000÷③161.33 = 1,860円/h・・・C

ケース3:月給400,000円

  • 400,000÷①163.33 = 2,450円/h
  • 400,000÷②162.67 = 2,459円/h
  • 400,000÷③161.33 = 2,480円/h

休日が増えることで、時間単価が数十円アップすることがわかります。

金額的にさほど差があるわけではないのですが、、、

労働時間が①163.33⇒③161.33へなった場合、時間外手当において未払いが生じる可能性があり、その場合は法遵守コンプライアンス)という観点でNGです。

 

数十円のアップではありますが、、、従業員数100名、平均月給30万円として、年間未払い額試算してみます。

仮定:月平均時間外労働40時間

(C-A)×1.25(割増率)×40h×100名×12ヶ月
1,380,000円(未払い
※C-A=1,860円/h - 1,837円/h

労基署調査では「2年間遡及支払い」を命じられることもあり、その場合は、、、

 =1,380,000円×2年
2,760,000円(未払い

となります。。。結構な額ですね。


このような事態を回避するには、、、

  • 休日日数を決めておく

といった策が考えられます。

求人情報等をみると、「年間休日日数120日」といった記載、覚えがあるかと思います。「うちの休日日数は120日です!」と言い切ることができれば、上記のような差額発生防ぐことができます。昨今の祝日増減を踏まえると、、、

上記サンプルのように「祝日」を休日条文から外し、「その他、会社が定めた日」で土日以外休日を決めると良いかなと思います。

  • 会社カレンダーを用意する

そして、若干手間ではありますが、期末には次期カレンダー用意、休日120日ならばそれを次期カレンダー明記(赤丸で囲む等)します。これで、「休日120日です!」と言えるだけでなく、「客観的データ」を示すことができます。※助成金利活用の際にも手続きがスムーズになります。

この手間が面倒なのであれば、冒頭サンプルのような定め、いわゆるカレンダー通りでも構いませんが、差額が生じる可能性(リスク)があることは、頭に入れておきましょう。そして、期末には次期の労働時間・日数がどう変化するのかを計算してください。

 

さて、冒頭の質問を繰り返します。

  1. 御社「就業規則」に基づく休日日数は、年間トータル何日ですか
  2. 年間トータルの起算日いつですか

御社「就業規則」、見直してみてはいかがでしょうか。

 

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中小企業診断士 山下典明


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